【中古住宅購入記】中古のiSmartにQPEXで性能評価してみてもらった【購入するまでにやったこと】
この記事は家ブログAdvent Calendar 2021の22日目の記事です。
下記に購入までのまとめ記事があります.
どんな記事ですか?
中古住宅購入において温熱性能の確認,確保というのは大きな課題になってくると思います.
実際,国土交通省の調査によると中古住宅に住んでいる人の8割が不満を持っているそうです.
<引用元>https://www.mlit.go.jp/common/001090307.pdf
僕は今回中古住宅を購入する際に以下の5つの対策を行うことで性能に対するリスクヘッジを行いました.
・iSmartを選択することで最低限の性能を確保
・ホームインスペクションを行うことで,施工の質,劣化具合を確認
・QPEXを依頼することで実際の冷暖房負荷を可視化
・長期優良住宅取得物件にする
・住宅性能評価取得物件にする
実際の温熱環境は住んでみないとわからないですが,考えられる限りのことはしてみました.
ということで今回は中古のiSmartにQPEXを依頼したという記事になります.
注意点
2013年に建てられた物件のため現在販売されているiSmartⅡでなくiSmartのおはなしになります.
今回のQPEXは,ホームインスペクション依頼先が新住協に入っていて,相談したら「一条工務店の家に対して行ったことはないから正確な値の保証はできないけど,面白そうだからやってみよう!」と協力してくださって実現したケースとなります.
仕様なども調べきれなかったりいくつかうまくいかなかったところもありますが,結果に対してホームインスペクション先,QPEXには何も責任はございません.
一条工務店アゲ,一条工務店サゲの気持ちは一切ないです.中古住宅の購入時にこういう方法で性能評価する方法があるよ!っていう共有記事になります.
我が家の条件
4地域
総二階 32坪
南向き
窓の数:南10東3西3北8 (多い…)
引違窓12 勝手口タイプ 4 FIX窓 4 辷り出し窓5
あまり有利な条件ではないですね汗…
ハニカムシェードありの結果
早速結果です.
Q値:1.4
UA値:0.39
η値:1.5
Q1住宅レベル:省エネ基準レベル(59.8%)
HEAT20:G1レベル
省エネ等級:等級5
という結果となりました.
iSmartⅰのカタログ値はQ値:0.82だったのでそこくらいまで行くと嬉しかったですが,
内覧時に「無駄な窓多っ!」って思ってたのである程度覚悟はできていました!
現状を把握しないと,改善に時間がかかるのでQPEXして良かったですね.
年間光熱費11.6万という目安がもらえたのも大きいです!
また設備容量の計算ももらえました.
暖房はいったん床暖房で行おうと思っていますが,冷房の容量は参考にしたいともいます.(どれだけ多くても3.3Kw以上はいらないってことですね)
将来的にエアコン暖房に移行する際にも参考にできますね!
ハニカムシェードなしの結果
iSmartの窓にはすべてハニカムシェードがついています.
断熱性能は跳ね上がると思うのですが,実際の運用時は,結露対策のために10cm
くらい開けておく必要があると思います.
そこでハニカムシェードなしでも計算してもらいました.
Q値:1.4→1.49
UA値:0.39→0.42
年間光熱費:11.6万→12.7万
実際は全開にはしないはずなのでこの間に収まってくると思います.
感想としては,思ったほど影響はしないな~って感じです.
三種換気なしの結果
今までの計算はすべて,一種換気+トイレ風呂の間欠換気ありで計算していました.
感覚としては3種の換気ってもったいないなと思ったのでどれくらいの損失か計算してもらいました.
Twitterでつぶやいたらいろんな人が優しく教えてくれました.
すげえ基本的な質問だから何百回もされてると思うんだけど第一種換気の人ってトイレの第3種換気って併用してるのかな、併用しない人は臭いとかどうしてるんだろ
— あきひと (@ak1hito3) 2021年12月13日
年間光熱費:11.6万→11.4万
意外と差がないですね!
小うるさく言わないようにします☺
細かい話
・床暖房のCOPについて
ヒートポンプ式温水床暖房のCOPをどれくらいにするか悩みましたが,今回の計算ではCOP1.5で計算しています.
・壁,床などのU値について
仕様書内で矛盾が生じていて,たとえば壁の断熱材はEPS190mmと書いてあるのですが,QPEXにEPS190mmを入力するとU値が7.3㎡K/Wになります.
しかし仕上げ表にはU値5.50㎡K/Wと書かれています.
どちらを信じるか悩みましたが,最悪を想定しておいたほうが良いため,低い値を用いて計算しています.
ちなみにそちらの値を使うと
Q値:1.31
UA値:0.37
G2ならず……!!
・C値
C値は測定できていませんので適当な値を入力する必要があります.
カタログスペックでいうとC値0.6なのですがC値は劣化することが知られています.
いくつにするか悩みましたがちょっと甘めにC値1.0にしています.
いつかフジマさんのように測定したい…!
計算時のハマったところ
・平面図内のBとかの意味が分からない
@一条ユーザーの方々
— あきひと (@ak1hito3) 2021年12月11日
仕様書に2種、窓があるのですがこのJとBという仕様と、間取りに書いてある仕様の結び付けがわかる方いらっしゃいますか?
どの窓がJの仕様の窓で、どの窓がBの仕様の窓か知りたいです pic.twitter.com/yKE6uDNqOY
・窓の寸法が寸尺なことを知らずにハマる
まとめ
というわけで中古住宅の性能担保のためにQPEXをやってみた記事になります.
自分でこだわった家ではないので,良い数値が出ることは少ないかと思いますが
家の性能にあった住まい方をするためにUA値を知っておくことはよいことなのではないでしょうか?
断熱改修や気密DIYなどで改善することもできますしね!
僕のように新住協に入っているホームインスペクション業者に会うことは難しいかもしれませんが,けんちくしさんのようにUA値計算サービスをしてくださっている方もいらっしゃるので購入前に一度計算をしてみるのはいかがでしょうか?
外皮性能(Ua値)ですが簡易計算が多く数値が実際とは全然違うことがあります。よってアフター付きの外皮計算サービスやります!
— けんちくしさん (@ikkkkkk111) 2021年12月7日
●現在お家計画中で本当のUa値が気になる方
●提示されたUa値のセカンドオピニオンをしたい方
●もう建築しているが自分の家のUa値を知りたい方
詳しくは添付画像へ pic.twitter.com/1XJhi1VUbb
中古は図面残ってるの珍しいかもしれませんが,建売ならあるはずなので建売購入時などにも使えるかもしれませんね!
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