【自分の頭で考えたい人へ】知的複眼思考法【書評/レビュー】
なんで読もうと思いましたか?
コロナ下でニセ科学が流行ったり,
家づくり情報の中でもトンデモ論法がはびこってたりします.
それに対して「信頼できるメンターを見つけよう」とか「専門外の人の言うことは無視しよう」とか「複数の情報を確認しよう」とかいろいろ対策を言ってくださるひとはいて,部分的にはあっていると思うのですが万能ではないなと思っていました.
ここら辺のもやもやを言語化してくれる本,人はいないかな~と思いたどり着いた本です.
どんな本ですか?
「自分の頭で考える」とはどんなことか,どうすれば鍛えられるのかが書かれた本です.すぐ実践できるものばかりですが身に着けるのは大変だなという内容で,安易なハウツー本じゃないところも好みです.
個人的に良いと思ったのは,実際に問題が付いていて自分の頭で考える練習ができるところです.
この本にもいろいろ自分の頭で考える方法について書かれていますが,書かれている内容はネットで細かく探せば書かれている内容でもあります.
(別ブロガーでエッセンスをまとめた人がいるので気になった方はこちらからどうぞ)
ただ,僕が重要だと思うのは知っていることでなく実践できることだと思うので,この本のケーススタディを取り入れている部分はとても良いと思いました.
ぜひ実際に読んでみることをお勧めします.(古い本なので図書館にあるんじゃないかと思います)
いつ読むべきですか?
・ネットの情報は怖いなと思った時
・動画を見るたびに意見が変わっちゃって迷子になった時
・論理的思考に自信がないなと思った時
一番印象に残った内容はなにですか?
どの話も読みやすくわかりやすかったのですが,一番わかりやすかったのは「読書の効用」について考える話です.
「近頃の若者は本を読まなくなった」「若者の本離れ」などという論説を聞いたことがあるかと思います.これに対し「へ~そうなんだ」と思って無意識化に「若者はダメだな~」という気持ちを持ってしまったりしていませんか?
このような論説をみるとまず「なぜ最近の若者は読まなくなったんだろう」と思いがちですが「本を読まなくなることの何が悪いんだろうか?」と考えることの大切さを筆者は説いています.
・本を読むことで得られること
・その中で本からでないと得られないこと
を洗い出し,考えてみること
これこそが「自分の頭で考える」ことへの第一歩だと述べてます.
僕の結論と筆者の結論が違ったことも面白いと思った理由です.
ちなみに僕は,小説を読むときの没入感だけはほかのメディアからは得られなかったという経験から,小説は読んだほうが良いと思っている派です.
逆にビジネス本や勉強はデジタルでできるのであればそちらでもよいと思っています.
どんな人にお勧めしますか?
・ニュース記事だけ見て批判している人
・どの情報を信じていいか分からず家づくり迷子になっちゃった人
・自分は騙されないと思っている人
・今から研究を始める人
再読しますか?
再読します!僕自身論理的思考に自信はありませんし,記憶力にも自信ありません.批判的思考がただの粗さがしになっていないか,歪んだ思考になっていないかは時々振り返ろうと思います.
さいごに
批判的読書や批判的思考は大切ですが,対人で行う場合は言葉遣いなどに注意が必要です.何のために批判しているのかをもう一度考えてみることをお勧めします.自分自身他人に攻撃的になるところがあるので注意したいところです…
また無断リンクですが,この本に関していろいろな方がよい書評をしているのでよろしければそちらもお勧めします.